例年11月3日(文化の日)に開催される入間基地航空祭。
このイベントは“晴れの特異日”としてファンには良く知られています。
さて、関東でもっとも大きな航空自衛隊の基地であり、基地に隣接する西武池袋線・稲荷山公園駅から直接入場できるという珍しい立地もり、来場者数は毎年20万人が訪れると言われるこの入間基地航空祭。
今回は「入間基地航空祭の楽しみ方のコツ」をご紹介します。
航空自衛隊入間基地ってどんなところ?
埼玉県狭山市と、入間市の境に位置し、西武池袋線の線路が基地内を横断しているという不思議な基地。
関東でもっとも好アクセス、規模の大きな航空祭が開催されるということで、地元や関東近県からだけでなく、全国からファンが訪れます。
航空祭の入場者数がスゴイ!
2013年のTBSドラマ「空飛ぶ広報室」で一躍有名になった入間基地ですが、ここで開催される航空祭は・・・
- 普段は入れない滑走路間近なエリアまで入ることができ
- 限定グッズも購入できるし
- B級グルメもあれこれ楽しめて
- 仕上げに頭上を飛ぶブルーインパルスのフライトまで堪能できる!
ですので、その人気も納得のイベントです。
ちなみに、ドラマを放送した年の航空祭には32万人が殺到したと言われています。
戦後はジョンソン基地と呼ばれた歴史も…
普段は航空自衛隊の輸送機と輸送ヘリなどを擁した業務を行っている場所ですが、イベントのために宮城県の松島基地から飛来するブルーインパルスを始め、時によっては米軍の戦闘機や、他の基地の珍しい航空機も見ることができるので、大人も子供もワクワクして空を眺めています。
もともとは旧日本軍の航空基地で、戦後に米軍に接収されて“ジョンソン基地”として長く使われた後に日本に返還され、現在のような状態になりました。
旧軍時代からの遺構をまとめた“修武台記念館”という施設もありますが、こちらは事前予約や見学会でのみ公開されています。
入間基地航空祭の楽しみ方のコツ
アクセス・行き方
入間基地には駐車場がありません。
バイクや自転車の駐輪場はありますが、基本的に「自動車での来場はご遠慮ください」とされています。
入間基地への入り口が集中しているのが狭山市の稲荷山公園駅周辺及び入間市の入間市駅周辺のエリアですが、この近辺にある公共施設や店舗のパーキングは全て使用禁止もしくは前夜のうちに満車という可能性も高いです。
なぜなら、近隣に車を止められる場所がほとんど無いからです。
その対策として、西武池袋線の稲荷山公園駅からは年に一回基地に向けてフェンスが開かれ、臨時の自動改札が設置されるので、目の前がもう航空祭会場です。
西武新宿線からは、狭山市駅発稲荷山公園駅行きの西武バスがありますので、そちらを利用してみてください。
遠方からいらっしゃる場合には、基地の正門周辺に横付けするバスツアーが民間の旅行会社などで販売されているので、座って来て、座って帰ることができると評判です。
航空祭の持ち物 持ち込み禁止なものがあるので注意
正門や稲荷山門が解放されますが、そのいずれでも荷物チェックが行われます。
この際に脚立や踏み台などは持ち込みNGなので没収されます。
2019年は盲導犬など以外のペットは同伴不可となっていましたので、気を付けてください。
基地内の歩き方
とにかく広いので、歩きなれた靴で来ることをオススメします。
正門から入場した場合、その左側には芝生のグラウンドがあります。
ここでは警備犬の訓練デモンストレーションを見ることができたり、レジャーシートを広げてお弁当を食べたり、ゆったり過ごせます。
メイン会場に向かって道なりに真っ直ぐ進むと、左側に西武池袋線の稲荷山公園駅・臨時改札が作られて、続々と電車から降りた来場者が群れを作って流れに合流していきます。
ここにある“稲荷山の踏切”が、来場者にとっては大きなポイントです。
増発ダイヤになっているので、開かずの踏切にならないよう、係員を多数動員して安全管理を徹底していますが、2~3回の開閉は待つこともありますので、焦らずに待ちましょう。
事前に仮設トイレを利用しておくと○
ここまでにも物販エリア、仮設トイレがあります。
小さな子供連れの方はトイレを済ませてから進むと良いですね。
また、授乳室等もありますので、赤ちゃん連れのママも安心ですよ。
稲荷山門辺りからも合流した人の流れは、時に山手線ラッシュレベルの混雑にもなりますが、交通整理もされているので、この数年は比較的スムーズに流れている印象があります。
物販エリアでグッズを買おう!
メイン会場である駐機場の手前に格納庫がありますが、その少し手前辺りに物販エリアができます。
タオルやTシャツ、キーホルダーやカレンダー、キャップなど、部隊のレプリカのグッズを扱う業者さんたちがテントを並べ、また、B級グルメのフード系も充実しているので、楽しく買い物ができますよ。
メイン会場は昼前には混雑!
大通りの先に広がるのが普段は航空機が並んでいる駐機場=メイン会場です。
昼前には人でいっぱいになります。
入間基地の航空機が滑走路側に並び、その機体の中に入ることができる催しもやっているので、行列に並んで待っている間に係の現職自衛官に質問してみても楽しいかもしれません。
この辺りをぐるぐる往復するだけで軽く一万歩は達成できる運動量です。
入間基地航空祭での注意事項
混雑がスゴイ!
入間基地は広いとはいえ、そこそこの面積に20万人が集まります。
当然、混雑でいさかいが合ったり、気分が悪くなったり怪我をして救急車のお世話になるケースもあります。
各所に救護所はありますが、メイン会場では中央に赤いアドバルーンが上がっている場所にそうした係が集まっていますので、何か困ったことがあったらまずそこを目指しましょう。
小さい子供や高齢者のための救護所、休憩室も作られていますので、困ったらその辺りに立っている自衛官さんに声をかけてみてください。
子供は迷子に注意
また、例年問題になっているのが“迷子”です。
迷子札を配布したり、迷子センターを設けて対応していますが、今年(2019年)も幼児ちゃんがみつからず延々名前を放送していました。
みつかったのかな…とちょっと心配しています。
スマホがつながらなくなることも…待ち合わせは入念に!
また、迷子でなく、待ち合わせがうまくいかないケースも多発します。
原因は、携帯電話がつながらなくなることです。
以前は周辺エリアも巻き込んで航空祭の日はほとんど携帯電話がつながらない状態であったところ、地元自治体からの要請もあって、各携帯キャリアから移動中継車両を全国からかき集めて配備し、事なきを得てきました。
しかし、今年はまた通常の通話がつながりにくくなり、LINEやTwitterがダウンするレベルでしたので、携帯電話があれば会場で待ち合わせできる、と思っている人もいたはずですが、かなり難易度が高くなっていたはずです。
こうした時のために、複数のSNSのアカウントを共有するとか、基地内マップを見て場所と時間を決めてアナログな方法で待ち合わせるなど、対策を立てておく必要があります。
また、迷子が増えた理由のもう一つに「歩きスマホがあるのでは」と思いました。
繋がらないから、繰り返しスマホの画面を凝視することで子供から目と手が離れて迷子になる、ということの危険性を、もう少し考えてみて頂きたいですね。
何より、本人も危険です。
ブルーインパルスを楽しむために
2019年は曇っていたので、フルの一区分の演技科目ではなく、水平飛行のフライバイのみでしたが、無事に終了してほっとしています。
というのも、以前、前日予行で鳥をぶつけて故障したり(バードストライク)、近隣で交通事故が発生してドクターヘリが飛び、途中でフライトを中断するといった事象もあったからです。
演技は13時30分ころから始まることが多いので、より迫力のある臨場感を求めてメイン会場を目指す方が多いですが。
殺到する人だかりで将棋倒しの危険を感じることも多く、子供連れだと大人たちに囲まれて見づらいなど、問題もあります。
子供連れなら穴場スポットで見るのもあり
そこで、お勧めしたいのが「ゆったりみられる場所にレジャーシートを広げて楽しむ」という方法です。
前述で、正門横にグラウンドがあると書きましたが。
メイン会場で禁じられた折り畳み椅子もレジャーシートも、そこは使用可能です。
そばに仮設トイレもあり、子供たちも走り回って楽しめますよ。
その場所でブルーインパルスを見る場合、フライトから1時間前くらいに「メイン会場に向かって稲荷山の踏切を超える前くらいのグラウンド」に向けて移動するのがオススメです。
見やすいポイントは「展示してある古い航空機がある方向の、道路に近いエリア」です。
メイン会場よりは見づらいですが、座ってゆっくり楽しめるブルーインパルスもいいものです。
事前情報をチェックしよう
入間基地公式サイトでは、日々様々な情報を発信しています。
こちらには、航空祭前になると当日配られるものと同じ仕様のプログラムがUPされるので、物販エリアや救護所、イベントスペースなども詳細にチェックできます。
また、グッズを作る熱心な業者さんも、自分たちが出店するスペースや、その時に販売するグッズの写真や値段なども予めSNSで公開していることも多いので、情報を調べておくと、効率的に会場を楽しむことができるでしょう。
限定グッズはあっという間に完売することもありますので、こうした準備が肝心です。
今回は行われていませんでしたが、ブルーインパルスのパイロットらによるサイン会が開催されることもありますので、そうした場所や時間も調べておけば慌てませんね。
また、自衛官などの仕事を目指している人は、メインの大通りに例年、採用担当のブースが設置されますので、詳細に話が聞けますよ。
時間にゆとりをもって遊びに来てくださいね。
入間航空祭を楽しむコツまとめ
“開門ダッシュ”という言葉があります。
入間航空祭でも「他者より良い写真や動画を取りたい」という気持ちで始発で門の前に行列を作る人たちがいます。
しかし、彼らが次第に加熱してトラブルが増えたことから、こうした行いができないよう、基地側も対策を立てているので、そんなに早く来ても疲れるだけです。
普通に「開門される時間に遊びに来て、ブルーインパルスのフライトが終わったら帰る」くらいの気持ちで、ゆったり遊んでみてください。
また、帰りは稲荷山公園駅から乗ると改札からホームにかけて大混雑なので、「一つ手前の徒歩10分程度の入間市駅まで歩いて電車に乗る」と言う人もいます。
稲荷山公園駅周辺には時間を潰せる場所がほとんどありませんが、入間市駅周辺まで足を延ばせば、駅ビル、デパートを始めとして、ファストフードの店舗や公園など、ある程度時間を潰せる場所はあります。
体力にゆとりをもって遊びに来てください。
あくまでも慌てず焦らず。
おうちに帰って「あぁ、楽しかった!」と思い返すまでが“入間基地航空祭”です。