自衛官と結婚することを視野に入れ始めると、経済的なことはいろいろと考えざるを得ません。
世間一般の民間企業や、他の公務員と比べて、お給料や年収といった収入はどのくらいなのか。
そして、自衛官とその家族の暮らしぶりはどんなものなのか。
結婚を考えると、気になりますよね
実際多くの自衛官の家庭はそれなりの年収で家を買い、車を持ったりして、安定した暮らしを維持しています。
とはいえ、気になるのは「具体的にどのくらいの収入があるのか」だと思います。
一概に語れることではありませんが、自衛官のお給料の傾向についてお話していこうと思います。
自衛官妻である私がビシッと解説しますよ
自衛官のお給料って高いの?安いの?
お給料自体は全国平均とそこまで変わらない?
自衛官がもらっている給料は、日本の全国平均とほぼ同じレベルです。
初年度の月額で比較すると、以下の金額。
- 高校卒の自衛官候補生(平成29年度で166,500円)…全国平均
- 高専卒・短大卒の一般曹候補生(同166,500円)…全国平均
- 大学卒の幹部候補生(同222,000円)…平均よりやや上
- 大学院卒の幹部候補生(同243,100円)…平均よりやや上
初年度のお給料だけ比べると、ものすごく高いワケではないですよね
自衛隊特有の事情が…
しかし、一般の公務員や民間企業と異なる事情が一つあります。
自衛官は一定期間、必ず集団生活を義務付けられています。
つまり、基地・駐屯地内に居住するために住居費(家賃)がかかりません。
家賃がかからないのは嬉しいポイント!
さらに、平日は基地から出られないために同年輩に比べると比較的貯蓄がしやすい環境にあります。
実際、多くの隊員が寮生活中に、けっこうな額の貯金をできています。
さらに階級が上がるにしたがって給料も増えていくので、貯金額も多くなっていくというワケです。
たま~に趣味(車とか)にお金を遣いまくっている人もいますが、大体の自衛官は独身時代にキチンと貯金をしていますよ。
自衛官の給料は俸給と号俸で決まる?
国家公務員の基本給は“俸給(ほうきゅう)”と呼び、自衛官の場合は「俸給に各種の手当てを加えたもの」が給料となります。
これは、国家公務員法によって定められた“俸給表”で、階級と勤続年数などによって細かく定められています。
この際に基準となるのが“号俸(ごうほう)”です。
号俸というのは、勤続年数や各自の仕事に対する評価によって個々に決まるランクのようなもの。
1号俸・2号俸…と、数が上がるごとにお給料の金額が増えていくことになります。
号俸は1号から始まって、通常は年に4号ずつ上がります。
が、優秀であれば6号上がることもあり、逆に評価が芳しくなければ2号しか上がらない、ということもあり得ます。
号俸が高いほど、お給料も高くなる仕組みですよ
自衛官の給料の実例
実際のお給料金額
それぞれの階級で、実際にはどれくらいの給料をもらっているのか。
具体的な実例(月額)を紹介しますね。
- 2士: 16~18万円
- 士長: 18~24万円
- 2曹: 22~38万円
- 曹長: 23~42万円
- 准尉: 23~43万円
- 1尉: 27~44万円
- 3佐: 31~46万円
- 1佐: 39~49万円
- 将補: 51~59万円
- 将官: 71~117万円
ちなみに曹階級は、同じ階級でお給料に倍近くの開きがあります。
これは自衛隊内でも曹階級の人数が最も多く、年齢層も広いため「様々な経験や技能などの評価を加味した号俸」になっているからだと推測できます。
あと、准尉より上が幹部自衛官であり、さらに将補・将官は数も限られた自衛隊を運用するトップクラスのポジション。
責任に応じて号俸が定められているから、金額も上がっていきます。
当然ながら、責任が上がる幹部の方がお給料が高いです
自衛官の平均お給料
上記の実例を元に自衛官のお給料を平均すると、以下の金額になります。
- 年収:640万円
- 月収:41万円
- 賞与:150万円
なお、この金額は陸・海・空共通であり、男女の差もありません。
自衛隊は手当ての金額が高い!?
一般的な手当て
さて、この俸給に加えて、自衛隊では様々な手当てが付いてきます。
一般的なものが通勤手当・扶養手当・単身赴任手当といったもの。
都市部勤務・寒冷地などの勤務地の状況を考慮した手当も存在します。
特殊な手当て
さらに、自衛官に特有な災害派遣手当、航空作業手当(パイロットなど、航空機搭乗員のための手当)、乗務員手当・航海手当(主に海上自衛隊で護衛艦・潜水艦の乗組員のための手当)などがあります。
特に、航空作業手当・航海手当は基本の俸給を基準にして定められています。
航空手当(フライトペイ)にはジェット機とそれ以外などの規定がありますが、もっとも高額なジェット戦闘機のパイロットの航空手当(ジェットペイ)は基本給の80%ともいわれています。
また、自衛官でも専門性が高い医官(医師)や歯科医官(歯科医師)も、平均的に800~1000万円という年収です。
これは民間との格差を埋めて、人材を確保するための措置とされています。
それぞれの職種や資格ごとに、さまざまな手当てがあり、それらを加えてそれぞれの“お給料”が設定されていくのです。
残業手当はない!?
自衛官は特別職国家公務員です。
労働基準法の適用はありませんし、民間のような残業手当はつきません。
そのため、もともと俸給は「ある程度の残業代も含めて設定」されています。
自衛官は災害や有事の際には、昼夜を分かたず働くことが想定されています。
平時でも、有事を想定した長期にわたる演習があったり、当直があったりと様々な勤務体系があるのです。
家族的には「少しくらい残業代を出しても…」と思わなくはないですが、仕方がないことです><
まとめ
自衛官は特別に高給というわけでも、ものすごく薄給というわけでもないことがお解かりいただけたでしょうか。
多くの自衛官は堅実に、それぞれ身の丈に合った暮らしをしています。
過度な贅沢をしなければ、自衛官のお給料でも普通に暮らしていけます。
また、自衛官は民間に比べて定年が早く、その多くが再就職をして一般的な定年やそれ以降までお仕事をすることを目的にキャリアアップを図っています。
配偶者もそれに従い、資格を取ったり、インターネットで在宅ワークをするなど、転勤しても続けられるような働き方をして経済基盤を作っているケースが増えていますよ。