「自衛隊の髪型って規則があるの?」
「やっぱり、みんなツーブロックやスポーツ刈りみたいな髪型じゃないとダメ?」
「ヘアセットでオシャレはできるの?」
自衛隊入隊前・・・もしくは自衛隊の彼氏がいると気になる、自衛隊の髪型問題。
なんとなく自衛官は髪が短いイメージがありますが、実際のところどうなのでしょうか?
特に入隊前だと「どこまでオシャレは許されるの?」「規則違反の髪型をして怒られたらどうしよう!?」と悩むはず。
そこで、この記事では「自衛隊の髪型規則」について紹介します。
自衛官の髪型にまつわるビックリな過去話も暴露しちゃいます。
自衛官の髪型規則~基本のルール~
結論から言えば、陸・海・空問わず、自衛官は基本的に“短髪”です。
というのも、自衛官の髪形を含む職務上の服装は“自衛隊法”という法律で、品位を保つ義務を課せられているからです。
また、部隊・職場毎のローカルルールや不文律もあって、基本的に短い髪型という風になっています。
自衛隊に興味を持っている方なら、もれなくご覧になっているはずのドラマ「空飛ぶ広報室」が放送された時、現職・OB問わず自衛官が漏らした感想で意外と多かったのが「髪が長い!」でした。
「部下があんな頭していたら俺なら前髪掴んでハサミを入れてるね」
そう言った人までいましたが、それが冗談じゃないところが怖いです。
入隊時の髪型は坊主!?女性はどうなの?
入隊前だと「どんな髪型をしていけばいいんだろう?」と悩むと思うのですが、入隊して教育隊に所属している間は坊主ギリギリのスポーツ刈りです。
女性も基本的にショートヘアでの入隊です。
ちなみに、男女ともに規定より長いと判定されたら、隊内の理容室で容赦なく刈られ(切られ)ます。
早朝の起床から消灯・就寝までが分刻みのカリキュラムで「髪のことなど気にしている暇はない!」ということのようですね。
オシャレはできないの?
では、自衛官は頭髪のオシャレは出来ないのか?
どこまでが許されて、どこからが規制対象なのか。
基本的に脱色、茶髪はアウトです。
男性は耳にかからない長さが基本です。
襟足は刈り上げが定番。
クルーカットと呼ばれる「トップが少し長め、こめかみから下は刈り上げるスタイル」が多いです。
ツーブロックの人もいますが、前髪が額にかからない長さ、またはオールバックにして額を出している人がほとんど。
職務上、制帽・キャップ・ヘルメットを着用したり、徒手格闘などで邪魔にならないために、必然的に短くなっていくケースが多いのです。
女性自衛官は、部隊配属後には髪を伸ばすこともできますが、職務中は襟足で一つに束ねておくことが義務付けられます。
これは、機械を扱う職場では安全対策として必須。
黒や紺のバレッタやシニヨン状に髪をまとめるネットなどを使う場合もありますが、基本的に髪飾りなどもNGですよ。
仕事中の散髪・カットができる!?
基本的に一月に一回以上は髪を切らなければ“短さ”をキープできない自衛官。
理髪店・美容院に通うのも大変です。
男性隊員でも、こだわりを持って美容院を選ぶ人もいますが、仕事の間に厚生棟(職場内の食堂や売店などがある場所)にある理髪店に駆け込んでさっと切ってもらう人が多いです。
元から短いのに、出勤したらもっと短くなって帰ってきた、ということも日常なんですよ。
だいたい頭皮が透けているほどに短いので、冬はニット帽が手放せません(笑)
自衛官の髪型にまつわる過去話
今なら人権問題!?
昔、身近なところに「オシャレに目覚めた若い隊員さん」がおりました。
ちなみに空自での話です。
週末は外泊許可を取って街に遊びに行く彼のスタイルは、一見して自衛官とはわからない雰囲気です。
だんだん髪が伸びてきて、当時の流行りの髪形になっていきました。
そんな時、昇任試験が目前に迫ってきた彼。
試験準備に伴って「髪を切れ!」と周囲から注意もされていましたが、若さゆえか、ひと月程度その上官の言葉をスルー。
整髪料で固めてオールバックにしていました。
「いい加減まずいだろう…」と思われてきた頃の昼休み・・・彼がデスクに戻った瞬間、上司である隊長が彼の前髪を掴み、ハサミで切り落としました。
今なら人権・いじめで大問題ですね><
当時は「ほれみたことか」「一時間やるからさっさと切ってこい」と笑い話になって終わり。
「まさか本当にやられるとは思わなかった」と愚痴っていましたが、すっきりした頭で戻ってきた彼は無事に昇任試験をクリア。
それからはマメに髪を切るようになりました。
そうまでして金髪!?
隊員さんで、元ヤンの人がいました。
私服は「そこはかとなくストリート系のヤンチャさがにじむファッション」でしたが、制服で出勤する姿はごく普通の自衛官。
もちろんお仕事は真面目にこなしており、さらに当時20代半ばで既婚、幼稚園に通うお子さんもいました。
ある年の夏、官舎エリア(自衛官用の格安アパート)を、見慣れない金髪に派手なピアスの男性が歩いていました。
「夏休みだから誰かの親戚でも来たのかな?」と思ったら、それがその元ヤン隊員さんだったのです。
自衛隊の夏休みは、10日から2週間ほど取得できます。
彼は休暇開始日の前日、仕事が終わってすぐに美容院に行って髪を金髪にし、休暇終了日の午後に今度は切って黒髪に染めて、問題なく休暇明けに出勤していったのです。
入隊前に開けていたピアスホールも、仕事から帰宅後に「透明な樹脂製のピアス」を入れて塞がらないようにキープしていたのだそう。
基本的に勤務中は結婚指輪以外のアクセサリーはNG。
勤務時間以外はOKとはなっていますが「そうまでしてピアスをつけたいんだ?そこまでして金髪にしたいんだ?」と___オシャレへの意識とポリシーはリスペクトでした(笑)
自衛官の髪型ルール
自衛官でもオシャレな人はいます。
出来る範囲で皆さんそれぞれに楽しんでいらっしゃるようですよ。
金髪の彼はちょっと極端ではありますが、「そこまでして拘りを極めたい」というのはある意味スゴイことですね。
職務上の規制は仕方のないことですが、私的には「やはり制服・制帽にマッチする自衛官の短髪はカッコいい!」と思います。