「自衛隊って代休はあるの?」
「当直や休日出勤したら、振り替えて休みはもらえる?」
そんな疑問をお持ちのあなた。
この記事では「自衛隊の代休(振替休日)」についてまとめていますよ♪
自衛隊のお休み事情を現役自衛官妻が紹介します!
自衛隊に代休はあるの?
自衛官は“特別職国家公務員”なので、民間企業でいうところの「残業や休日出勤に関する金銭的な手当」は基本的にありません。
残業代などが無いのは悲しいですが、でも!
- レーダーサイトや護衛艦勤務など、職種ごとの三交代のシフト勤務
- 職場によって月に何度か巡ってくる当直などの特殊な勤務
- 基地公開・航空祭などの行事で土日祝日に出勤
等を行った場合には、その分の“代休”が取得できます。
それぞれが一年間に取得できる有給休暇は決まった日数ですが、代休を合わせて上手にやりくりすれば、まとめて長い連休を作ることも可能なのです。
年末年始やお盆時期なら民間より休みが長くなりがちですので、長期旅行も可能ですよ♪
代休や振休ってどんなお休み?
“代休”とは、基本的に「休むべき日に出勤した“代わり”に、他の日に“お休み”を取る」ということですね。
その概念は自衛隊も民間企業と変わりません。
特に、自衛隊では訓練で山奥に籠ったり、演習場に長期間入ったりすることがあります。
その場合には、曜日に関係なくそのまま“勤務”が続きます。
一定のサイクルで休憩はありますが、基本的に訓練が終わるまで連勤です。
ちなみに、こうした場合に自衛官に対しては、労働基準法は適用されません。
その分、特別な期間が終わって平常勤務に戻った時、交代で「平日に取得すべきだった日数に相当する分のお休み」をとることになっているのです。
特殊勤務の具体例で言うと
例えば、皆さまにもおなじみのブルーインパルスは、航空祭シーズンには毎週末のように全国の基地に展開して展示飛行をしています。
- 金曜に目的地へ移動
- 土曜に予行フライト
- 日曜に本番
- 当日若しくは翌日松島基地へ帰投
というハードなスケジュールが定番になっています。
昨年(2019年)話題になったところではラグビーワールドカップの開会式がありました。
フライトが金曜夕方で、松島基地への帰投が土曜になるなど、それだけ見ても「パイロットと帯同する整備員らは一般の隊員とは異なるサイクルの勤務体系」だということが明白です。
こうした場合、彼らは翌週の平日に代休を取得しています。
今年(2020年)も、もしかしたら東京オリンピックの開会式でも同様のフライトがあるかもしれませんね。
賢い“代休”の取得方法
長期休暇で帰省する人も多い
自衛隊では普段の有給休暇が取得しづらい傾向にある分だけ、年末年始やお盆、ゴールデンウイークなどの休暇を積極的に取得する、または取得させるようになっています。
こうした大型連休を上手に活用して、年に何度か集中して休養の時間を取るためです。
全国規模の組織で転勤も多い自衛隊。
実家から遠くに赴任している場合や、単身赴任で自宅から遠くに勤務している人も多くいます。
なのでこういった連休を利用して帰省・帰宅したりします。
なかには、新婚旅行など海外に長期間の旅行を計画する人もおり、皆さん有効に休暇を過ごしています。
自衛隊は10日以上の連休が普通!?
いずれの場合にも、普通の有給休暇だけでなく、代休を組み合わせることによって、時間を有効に使えるようになっているのです。
全員が均等に、年三回の大きな連休を効率的に取得するには、この代休が欠かせません。
そうすることで部隊全体の人数を調整し、「一人当たり10日程度の長いお休み」を作ることができるのです。
こんな風に、それぞれの部隊ごとに当直者などの最低人数を確保しながら、全員にきちんと休暇を取らせるように、ということが昔から行われています。
年度末まである程度のゆとりをもって有休を残しつつ、しっかりと休暇を取るのに“代休”というシステムは大変有効な手段・方法になっているのです。
具体的な長期連休の仕組みは?
年末年始の休暇を例に考えてみましょう。
基本的に、こうした大型連休(年末年始、お盆など)は前後にザックリ二つに分けて、
- 前段休暇(12月24日~1月3日)
- 後段休暇(1月4日以降~)
となっていて、どちらかを希望する形になっています。
そうやって全体の人員のスケジュールを調整するのです。
賢い代休のとり方
一般的には「クリスマスや正月は家族やパートナーとゆっくり過ごしたい」と前段休暇を希望する人が多いです。
が、敢えてイブや元旦からの三日間などの当直を、逆に率先して引き受ける人がいます。
そうすることで「後段休暇に合わせて代休を取りやすくなるから」です。
後段休暇は1月4日から休み始めて、10日間程度の連休になることもあります。
その年の暦にもよりますが、連休の後半は長距離移動の飛行機や新幹線、宿の予約も取りやすくなり、ゆとりをもって休暇を過ごせますよね。
基本的に代休は「当直や休日出勤から7週目までに消化するように」との規則があります。
なので、「ここで代休を取りたい」と考えたら、あらかじめ逆算して当直や休日出勤の予定を組んでいくことが大切ですよ。
自衛隊の代休まとめ
自衛隊は確かに忙しい職場です。
そして、民間企業の残業手当のように解りやすい指標もありません。
その分“取るべき休暇”はきちんと取れる仕組みなっています。
昨今の異常気象やらで自衛隊にとっては長期間の災害派遣や、イレギュラーな勤務も発生しますが、そこで働いた分はある程度まとめて休めるようになっています。
お盆や、年末年始、ゴールデンウィークなど、代休を駆使して確保した長期休暇は、多忙ゆえに普段家族を顧みられない部分を補ったり、国家試験のための勉強をしたり、と大切に使う時間になるのです。