「自衛隊って休日も普通に働いてそう」
「大型連休のゴールデンウィークとかシルバーウィークもちゃんと休めるの?」
そんな風に疑問のあなた。
はい、もちろん自衛隊でもゴールデンウィークのお休みはちゃんととれます。
むしろ普段有給休暇が取りづらいために、まとめて休めるチャンスは有効活用するように推奨されていますよ。
民間の企業や、一般的な公務員に比べると思いの外長く休めたりするので、連休を取りやすいんですよ。
そんな防衛省・自衛隊のゴールデンウィークについてお話してみましょう。
自衛隊妻が「自衛官のゴールデンウィーク事情」を解説しちゃいます!
自衛官のゴールデンウィークの仕組みは?
自衛隊の長期休暇(年末年始・ゴールデンウィーク・お盆休み)に関しては、「前段休暇」と「後段休暇」という言葉があります。
それぞれ、一般的に休む人が多いピークの数日を真ん中にして、前倒しで休暇を始める前段休暇と、後にずらしてとるのが後段休暇です。
もちろんコアになる真ん中の期間も、何かあったら即応できるだけの人員は確保しています(つまり出勤する人はいる)。
その上で、それぞれ最大限に休みを取得し、遠方の実家に帰省したり、普段できない家族サービスや、海外旅行など、存分に楽しめるよう調整されているのです。
長期休暇を利用して海外に新婚旅行に行く人もいますよ♪
有給と代休
自衛隊は演習や当直といった不規則な勤務が多く、その分を代休で調整しています。
この代休は「発生してから8週間以内に取得せよ」という規則というか暗黙のルールがあり、こうした長期休暇に充てて消化します。
そのために、比較的早くから休暇の日程調整は始まります。
代休を消化して、有休を組み合わせて長期休暇を取得していくのです。
普段、休日出勤やら当直やらで忙しいですからね。その分、こういった機会に一気に休むんです!
休暇と待機
自衛隊の“お休み”には「一日ずっと自由で、どこにでも行ける完全にフリーなお休み」と、「自宅や職場の周辺なら自由に過ごせるけれど、遠方に行ったり、お酒を飲んだりはできない“待機”」があります。
長期休暇の間も職場に出勤している人だけでなく、災害や事故など、突発的に何かが起こった時に一定時間内に即応できるだけの人員を確保する、というシステムです。
すぐに連絡(電話やメール)が取れて、車などで出勤出来ることが条件です。
なので、休暇中でも携帯電話を手許から離したり、電源を切るということはできません。
しかし自宅でくつろいだり、近所の買い物やノンアルコールの外食なら問題ありません。
長期休暇の中でもこういう段階的な休暇を使いながら休養を取る人も少なくないのです。
その分で自宅などに居られるまとまった時間をつくり、試験勉強や論文作成をする人もいます。
実際、何事も起こらなければ普通の休日と大して変わりません。
逆に何か起こったら問答無用で出勤です。が、何か起こることはあまり無いので基本的には普通の休暇とそう変わりませんよ♪
早めにお休みの“計画”を立てよう!
自衛隊の長期休暇では、遠方や海外に行く場合だけでなく、自宅にいる場合でも行動計画表の提出を義務付けられます。
まず「長期休暇を前段・後段でどういう風にとるのか」と言った調整と同時に、「誰が、いつどこで何をしているか」のおおよその予定を把握する必要があるからです。
プライバシーの問題もありますが、これもまた全体で即応性の向上を図るためには必須なので、当たり前に行われています。
そんな中でポイントになるのは完全に出勤できなくなる期間とその行動ですね。
旅行の目的地と行動予定は、全員に開示されるわけではありませんが、嘘の予定を書いて提出した場合バレたら問題になります。
嘘の行動計画表を提出した場合・・・
例えば、急遽思い立って台湾や韓国などの近場の海外に行ったとします。
その時、帰りの便が運休になって戻れなくなり、帰隊や出勤が間に合わなくなった場合などがあるかもしれません。
そうなると、大問題です。怒られるだけでは済まない問題になります。
基本的に海外旅行は事前に申請しなければならない事項であることと、トラブルが起こった場合にいろいろと面倒なので、予定は正直に申告しましょう。
また、予定に大きな変更があった場合には、速やかに連絡をすることが大切ですよ。
ゴールデンウィーク中に起きた事故(自衛官妻の体験談)
ゴールデンウィークの休暇、というと思い出すことがあります。
1994年(平成6年)、4月26日。愛知県の小牧空港に中華航空140便が墜落しました。
「中華航空140便墜落事故」としてWikipediaにも記載がありますが。
この事故は、空港の敷地内に着陸に失敗した中華航空のエアバスA300が墜落し、日本国内では「御巣鷹山の日航機の墜落事故に次ぐ惨事」であったと記憶されています。
小牧空港は、滑走路を挟んだ反対側に航空自衛隊小牧基地が隣接しており、事故の直後から隊員が総動員で対応に当たりました。
日付を見てもわかる通り、連休初日の3日前の夜のことです。
当時、小牧基地の部隊に所属していた殆どの隊員が、ゴールデンウィークの休暇を返上することになったのです。
事故発生直後には徹夜で生存者の捜索と救出作業にあたり、乗客乗員のご遺体は全て体育館に収容、空港再開のための現場の残骸の処理など、フル稼働で日々が過ぎていったのです。
今でもその当時の記憶は生々しく残っています。
たまたまそういうタイミングにぶつかってしまった、ということではありましたが…実際、こういうことも起こりうるのだということを、頭のどこかにとどめて置いて頂ければ幸いです。
何事もなく長期休暇を楽しめるというのは、あたりまえでなく、実にありがたいことなのだ、と今でも思っています。
とはいっても、まずこんな事故は起こらないので、ゴールデンウィークの連休は思いっきり楽しんでくださいね♪