「自衛隊の勤務時間は何時から何時まで?」
「やっぱり残業は多いの?」
「夜勤や宿直なんかもあるの?」
そんな疑問をお持ちの皆さん。
超・激務の印象が強い自衛官のお仕事。
それは否定できません。
彼らがテレビに映るときはその殆どが「全力で事に当たっている大変な事態の姿」です。
ドキュメンタリーなどでは、集団生活している部屋で、朝6時に起床してベッドからダッシュする姿もよく知られています。
そうでなくても、残業・当直・夜勤・待機、いろいろありますよ。
とはいっても、陸・海・空、そして職種にも職場にもよりますので、当直や夜勤、待機がない場合もありますが。
今回はそんな自衛隊の「勤務時間・働き方」などを紹介します。
自衛官は特別職国家公務員です。
24時間365日稼働している彼らのお仕事は、どうやって回しているのか…労働基準法が適用されないそのお仕事の様子をちょっとのぞいてみましょう。
自衛隊の勤務時間は何時から何時まで?
基本の就業時間
自衛隊のお仕事は、一般企業より少し早めに始まります。
基本的な就業時間は以下の通り。
- 08:15 “課業”開始。
- 12:00~13:00 休憩
- 17:00 “課業”終了
今では基本的に週休二日です。
陸・海・空、基本的にはこの流れで、その時間の節目には決まったメロディのラッパが鳴り、お仕事の始まりと終わりには国旗の掲揚・降納を行います。
ちなみにラッパの音楽はこちら
このラッパのメロディが自衛隊独特でオモシロイですよね。
営内の寮に入っている場合は…
さて、営内(基地・駐屯地内)で生活している場合には、ちょっと事情が変わります。
06:00の起床から課業開始までや、課業終了後、消灯(22:00~23:00)まで、ほとんど団体生活で、自由時間は夕食後のわずかな隙間です。
教育期間には、その間に予習・復習、試験準備などもあり、大学受験生並みの密度の濃さです。
その他の特殊な例
特異な例としては「数か月間洋上で訓練を続ける海上自衛隊の艦艇」や、「24時間フル稼働しているレーダーサイト」などはシフト制を敷いて交代勤務をしています。
そのスケジュールは職場によってローカルルール的に運用されている場合もあります。
営外から通勤する場合にも、7時には職場に出勤して、課業前に済ませることを消化したり。
確かに、多忙です。
自衛隊は残業があるの?
残業、もちろんあります。
例えば翌日のフライトまでに機体の整備を完璧にしなければならない、という場合にはそれが終わるまで、とか。
残業は必要に応じて行われています。
また、自衛隊は“役所”なので、予算が決まる時期や年度末には防衛省の担当部署を始めとして、ほとんどど家に戻れず缶詰め状態で働くことも普通にあります。
どんなに働いても民間でいうところの残業代はありませんし、シフト勤務の実働時間による時給の変化というものもありません。
自衛官の“号俸(お給料、年収)”はそうした勤務の状況や、責任の重さを考慮して階級ごとに設定されているのです。
残業代…つけて欲しいですけどね><
夜勤や当直の勤務時間は?
夜勤や当直の勤務内容は陸空海によっても異なりますが、今回は「航空自衛官」の場合で紹介しますね。
夜勤
スクランブルの操縦士、整備員などは朝7時にスタートして24時間控室に詰めて待機、必要に応じて仮眠を取り、翌朝7時に交代、その日は一日休んで、翌朝から通常モードで出勤になります。
当直
当直は当番制で2名程度が職場に残り、何か起こった時に連絡したり、初期対応をするという仕事です。
これも真夜中は交代で仮眠を取ったりしています。
当直明け(通常の課業開始で引き継いで終了)は一日休みになりますが、職場の状況でそのまま勤務に就くこともあります。
夜勤は、昼間と同じ状況の勤務を真夜中に行っている深夜担当という感じですね。
レーダーサイトや艦艇勤務などに関しても、一概には言えませんが、「3交代制などのシフト」を組んで運用しています。
職種や、職場の状況に応じて、夜勤明けにそのまま通常シフトに駆り出されることもありますが、そうした場合には代休や年末年始の休暇を優先して取得しやすくするなど、それぞれの状況を考慮して調整しています。
待機
また、こうした勤務明けも含めて、緊急事態に対応するために「自宅にいても待機している」という当番もあります。
自宅にいて普通に過ごしている分には問題ありませんが。
例えば「呼び出しから〇〇分以内に出勤する」という場合には遠方には行けませんし、映画館などで携帯電話の電源を切ることもできません。
一見、自由な時間のはずなのに、頭の中の半分仕事モードという状況ですが。
本人も、パートナーや家族も。
慣れてくれば「そういうもの」と納得して過ごすようになります。
自衛官の勤務就業時間まとめ
自衛隊は平時であれば普通に「週休二日制のちょっと忙しい職場」という感じですが。
災害派遣や、事故などがあると、寝食含めて24時間対応を行います。
また、演習などでも、数週間野営して演習場に缶詰めになっていたり。
通常勤務であっても海上自衛隊の艦艇の場合には洋上で長期間任務に就いており、休日と言っても外に出られるわけではありません。
自衛官はそうした環境や状況の厳しさに耐えられなければ務まらないもなんです。
なので、自衛官は仕事というより、生活全般、そして生き様そのものなのかもしれません。
自衛隊妻の体験談としては・・・
通常勤務が終わってほっとしていたら、外食中に電話がかかってきて呼び出されて夫だけ職場に急行する、ということも多々あります。
クリスマスイブの夜中の二時に非常呼集がかかることもありました。
約束していた予定が吹っ飛ぶこともしばしばです。
自衛官との結婚後の暮らしは“そんなこと”も珍しくはありません。
しかし、付き合っていくうちに、パートナーも子供も、逞しさ、図太さを身に着けていきます。
どんな時でも仕事に向かう彼らには「行ってらっしゃい」と笑って送り出してあげましょう。
自衛官は基本的に家族想いです。
そうやってドッシリと構えていると、それ以上の愛情で家族に尽くしてくれますよ。