自衛隊は官舎という「家賃がかなりお安いアパート」を借りることができるので、結婚後はこの官舎に住むことがほとんど。
が、この官舎、自衛官と結婚する女性にとっては
- 間取はどんな感じなの?
- 結婚、出産後も生活できるだけの広さはあるの?
- 実際に住んでみたらどんな感じなの?
と疑問だらけですよね。
わかります、私も自衛官彼氏(今は旦那)との結婚を考えた時に同じように悩みました。
そこで自衛官妻である私が「自衛隊の官舎(宿舎)の間取や結婚後の生活」についてご紹介。
ぜひ参考にしてくださいね。
初めて官舎に住む時ってドキドキしますよね。
でも、住んでみたら意外に快適なんですよ♪
自衛隊官舎の間取りは?
自衛隊宿舎(官舎)は様々なスタイルがあります。
単身者用の1K、1LDK、家族でも居住可能な2K、2DK、2LDK、3LDKなど。
というのも、官舎に住むといっても「その時の自衛官の状態」って変わりますよね。
- 独身で初めて「営外(基地・駐屯地の外)の官舎」に住むケース
- 結婚後に奥さんと2人で住むケース
- 子供を出産後に赤ちゃんを含めた家族で住むケース
- 子供が小学校くらいになって子供部屋も必要になってきたケース
- 単身赴任で住むケース
このようにその時々のライフスタイルで必要な間取りは変わってきます。
ですので、階級や職種などに応じて、「適していると思われる部屋を割り当てられる」ようになるのです。
官舎が建設された時代や、地域性などによっても違いはありますが、普遍的な間取りなどについてまとめてみましょう。
自衛官の官舎は単身者用もいろいろ
単身者ように割り当てられる部屋は?
まず、単身者と言っても、いろいろなケースがあります。
ずっと基地・駐屯地の中(営内)に住んでいた人が「昇進や年齢・職種・資格などの条件を満たして営外の官舎に入る」場合。
「家族を自宅に残して単身赴任した場合」など。
こうした場合に割り振られる可能性が高い部屋が1K、1LDK、2K、2DKです。
小さい部屋は古い建物の官舎が多く、築30年を超えたものも「そこそこのリフォーム」を経て現役で使われています。
単身者用の官舎の間取りは?
その殆どは階段を挟んで両側に部屋がある「昔ながらの集合住宅」で、5階建て。
北側に玄関があり、入ってすぐ北側にサニタリー・浴室・トイレ・洗濯機置き場があり、明り取りのガラスの入ったドアを開けると北側にキッチン、南側に居室という間取りが多いです。
LDKはフローリングですが、居室は畳の和室で、一間程度の押入れがあります。
また、玄関やサニタリーに雑多なものを収納できる半間の納戸がついていることが多いです。
単身者用であっても、ユニットバスではなく、基本的に「トイレと浴室は別」になっていますが、洗面台が浴室の内側に作られている場合もあります。
官舎は結婚後も生活することができる?
官舎の入居条件って?
幹部自衛官は部隊配属後すぐに「営外の官舎」に住むことができます。
が、曹以下のいわゆる「下士官、士長以下の一般隊員」は、ある程度の年齢と資格を満たすことで同様に官舎に住む権利を得ます。
その大きな要件が「結婚」です。
自衛隊は結婚するのが早いのだけど「園外の官舎に住みたいから結婚したい」という動機もあるみたい。
確かに集団生活より外でゆっくり暮らしたい気持ちもわかりますよね(笑)
結婚直後に官舎に住む場合
様々な条件を加味して割り当てられる官舎ですが、結婚したばかりで、まだ子供が生まれていない時期であれば「2DK、2LDK」などの部屋が多いようです。
古くても「それだけのスペースとバス・トイレ・キッチンがあれば普通に暮らせる」という判断ですね。
自衛官は基本的に転勤を見越して暮らしているので、結婚しても「最初は家財道具もそれほど増やさないことを想定」してのチョイスかもしれませんね。
単身者用官舎に住んでいた自衛官が結婚した場合は…
また、1Kや1DKなどに住んでいた単身者が結婚した場合には「2DK以上の大きな部屋への移動」を希望することもできます。
が、その場合には引っ越し代は自腹であること。
そして同じ敷地内の官舎への移動であっても、「社会的な届け出(職場内の情報、住民票の移転に伴う免許証、パスポート、郵便局、クレジットカード、生命保険、携帯電話、インターネットその他)の移転手続きは通常の引っ越し同様にフルコース」となります。
ですので、数か月~1年程度での転勤が予想される場合などは「そのまま一緒に狭い官舎で暮らして、次の引っ越後から広い官舎で暮らす」ケースもありますよ。
転勤はそうした「生活のリセットの機会」でもあるので、わざわざ新たに荷物を増やすこともないし、それまでの間は「狭い官舎の部屋での暮らしを満喫する」という人も結構いるのです。
↓ちなみに詳しい入居条件や家賃については以下の記事でまとめています↓
子供を出産したあとなら?
出産もまた、家族が増えてライフスタイルが変わる大きなきっかけですね。
基本的には「2DK程度の官舎に住んでいる場合」には特に引っ越すこともなく、そのまま子供を迎え入れることになります。
赤ちゃん程度なら一人増えても「2人暮らし用の間取」で十分ですものね。
ただ、次の転勤の時には「もう少し広い部屋を希望する」ことも可能ですよ。
官舎に多く住んでいるのは子供がいる世帯!?
基本的に、官舎に最も多く居住しているのは「子供がいる世代の世帯(20後半~40代の自衛官とその家族)なのです。
幼稚園のバスも複数がお迎えにきますし、官舎の規模によっては「官舎だけで小学校1クラス程の人数の子供」が居住している場合もあります。
官舎の中に小さな公園のようなプレイスペースが設けられているところもあり、「子供がいても当たり前、お互いさま」という環境なのです。
多少赤ちゃんの鳴き声や子供の声がうるさくても、他のアパートほど気にしなくてすみますね。
皆さん、「お互い様」で生活していますので♪
子供が成長したら…?
しかし、40代以降は子供の成長とともに「高校・大学受験を考慮して勤務地の近隣や実家近くなどに戸建て住宅やマンションを購入」する場合もあります。
転勤があれば「自衛官本人だけが単身赴任をする」ようになるので、中学生・高校生の姿は減っていきますね。
20年以上前からそうしたパターンが増えているので、「定年退官するまで官舎で家族そろって暮らす」というご家庭は今では極々まれなのです。
ペットは飼えるの?
それから、犬や猫などのペットなど「鳴き声などで周り住居者に迷惑がかかりそうな生き物・動物」は基本的に飼うのを控えた方がいいでしょう。
逆に言えば「ハムスターや小鳥、熱帯魚」などの静かな生物であれば、飼っている人もいますよ。
どうしても犬や猫を飼いたい場合には官舎ではなく「アパートやマンションの賃貸物件」を借りて住む必要が出てくるかなぁと思います。
詳しくは以下の記事でまとめていますので、参考までにどうぞです。
自衛官宿舎の間取りや結婚にまつわるアレコレ
どんな間取になるかは運しだい!?
間取り図だけ見ると、同じ3LDKでも、さまざまな種類の部屋があります。
例えば「南側にLDKを中心にして三部屋が並び、北側に1部屋がある」というパターンが多いのですが、建てられた時代によってその使い勝手が違います。
現在は「LDKの両側をふすまで仕切って三部屋ぶち抜きで使える部屋」も増えましたね。
が、築30年以上前の古い建物では「玄関わきから入れる個室と、壁を挟んでLDK、そしてその隣の一室」というように区切られて使い勝手が悪い部屋もあります。
割り振られた部屋は拒否することが難しいので、どちらに当たるかは「運」次第、といったところです。
幹部になると官舎の間取も変わる!?
また、階級が上がった佐官以上の幹部を住まわせる「階段が設けられている官舎」もあります。
その階段を中心にした左右の居室は、他の階段と同様に3LDKであったとしても、居室の中央にある南側のLDKから北側のキッチンまでの幅が少し広めに作られていて、「ゆったりと暮らせる仕様」にもなっています。
こうした居室には「緊急用の直通連絡回線があらかじめ作られている」こともあるので、一般隊員は住むことはありません。
主に、隊長以上の管理職が居住します。
またその場合は居住する幹部が単身赴任であっても、その広い部屋が割り当てられることになります。
逆に、その回線があるがゆえに「その部屋以外に住むことができない」ともいえます。
広い部屋にぽつんと一人で暮らし、掃除が面倒なのでリビングと寝室以外は使わないまま、ということも実際あります。
もったいないことではありますが。
そうした居住者のライフスタイルとのマッチングは、官舎にとっては永遠の課題かもしれません。
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