この記事では自衛官妻である私が「自衛隊の官舎で同棲は可能なのか」について紹介しています。
結婚前提で付き合っているならなおさら「同棲したい」って思いますよね。
同棲した方が生活費も節約できますし、なにより大好きな彼と長い時間一緒にいれますものね♪
まず、自衛官は住むところが定められています。
階級と職種によっては「基地の中(営内:えいない)に住むことを義務付けられている人(主に若い独身自衛官)」もいますが、ここでは「基地の外(営外:えいがい)/宿舎・官舎に住む許可を得ている人」の場合について考えてみましょう。
基本的に、営外に住む場合であっても、何かあったらすぐに「緊急呼び出し(呼集:こしゅう)に応じられること」を求められるので、ある程度の制約が設けられています。
そうした生活の中で“彼氏との同棲”は可能なのでしょうか?
やはり結婚後じゃないと官舎で一緒に住むことはできないのでしょうか?
果たして真相は…
自衛隊の官舎・宿舎ってどんなところ?
基地外の官舎に住める条件って?
まず、独身の場合、一般隊員~曹までは基本的に営内に住みます。
その中でも、30歳を過ぎていて、二曹以上であれば営外を選択できます。
幹部自衛官でも、職種ごとの一定の訓練期間までは営内にいることが殆どですが、必要な資格を取り、部隊配属されると、その勤務地の官舎(営外)に居住することが認められます。
官舎ってどんなところ?
官舎は基地に隣接しているか、または一定時間内に出勤できる距離に設けられています。
1LDK~3LDKと、間取りは様々ですが、エレベーター無しの5階建てという一般的な団地・集合住宅のスタイルです。
単身者用に狭い部屋もありますが数は限られており、その多くは「夫婦~家族で住まうように考えられている」ので、結婚してから住んでいる人が殆どです。
官舎で同棲は可能なの?彼氏と一緒に住める?
結婚を前提としていない恋人同士ならちょっと待って!
もし、あなたが「結婚前提ではなく、彼と交際しているだけ」というなら基本的に官舎では同棲はオススメできないです。
婚約して「結婚します」と職場にきちんと報告してからであれば問題ありません。
が、ノリで「一緒に住もうか!」的な関係だと、本人が出勤した後にその部屋に日常的に出入りする“パートナー”の方がいろいろなしわ寄せを感じることになります。
結婚前提じゃないと同棲をオススメできない理由は?
官舎は、一般的な賃貸マンションなどと違って「周囲の人間関係がいろいろと密」です。
どの部屋にどの部隊の誰が住んでいて、その仕事がおおよそどんな感じか、ということもみな“お互い”に承知して暮らしている感じです。
それは“何かあった時”に家族を含めてお互い助け合うためでもあります。
官舎の部屋に、見慣れない人物が一人で自由に出入りしていたら…「あれは誰?」と、ほぼ必ず噂になります。
そうした関係を好意的にとらえる人ばかりではありません。
その地域が田舎であれば、より一層そうした傾向は強くなるはず。
何よりも、彼氏自身にとっては居心地が良いものでないはずですし、何よりあなた自身にとってもあまり良い気持ちはしませんよね。
事務的にも同棲は難しい!?
よって「結婚を前提として、その準備で同居する」というケースでなければ、官舎で同居することはお勧めしません。
というか、ほぼ不可能です。
官舎に住む場合には、管理する部署に「居住する人の申請」をしなければなりません。
基本的に民間の社宅と同様に“他人”を住まわせるということもできません。
「短期間、泊りに来ている」などは特に問題視されるものではありませんが。
住むことを目的に“家族”でない人物の住民票を移すのも問題になりますのでご参考まで。
官舎で結婚前提じゃない恋人同士が一緒に住むのは難しいです。でも、諦めるのはまだ早いです。どうしても彼氏と同棲したい場合は「他の方法」がありますよ。
アパートやマンションでなら同棲可能!?
どうしても彼氏と同棲したいなら…
同棲を考えているのであれば、所属先に申請して許可を取ったうえで「営外の民間のアパートやマンションを借りて住む」方が無難です。
営外に住むことを認められた年齢・職種であれば、そうした引越も特に問題になることはありません。
その初期投資(引っ越し費用、敷金・礼金など)は自腹になりますが、周囲からの視線は気にならないし、お互いに気楽ではありますね。
ただし、デメリットも…
しかし、幹部自衛官の場合には「転勤も2~3年に一回巡ってくる」ということで、いつ異動がかかるかわかりません。
また、同棲から結婚に進展したとして、本格的に生活がスタートしたら「荷物が増えて手狭だから引っ越したい…」となる可能性も多々あります。
同棲を始めるとなると「家の間取り、家賃、敷金・礼金、そして買い揃えるべき家具・家電」など、けっこうなお金が必要になりますよね。
官舎以外で住む場合、そういった出費は全て自腹になります。
さらにその上、「同棲したら数ヶ月で彼氏が転勤になる」という可能性もなくはないので、そういった面も考えた上で同棲するかどうかを考えてくださいね。
営内居住者であっても“週末同棲”なら可能!?
営内の官舎に住んでいても週末は外泊できる
営内に居住している場合は、基地の外に出るためにはその都度「外出許可、外泊許可を申請する」必要があります。
本人の業務に支障がなければ「毎週金曜日の夜から日曜日の夜まで基地・駐屯地の外に出て過ごすことは可能」なのです。
ですので、もしあなたが「アパートやマンションで一人暮らししている」のであれば、そこで“週末同棲”をしてみるというのもオススメですよ。
週末同棲のオススメポイント
こうした場合は外出許可・外泊許可などをきちんと手続きをし、営内に戻る門限を遵守さえすれば周囲の理解も得られやすくなります。
そうなると、結婚を考える段階になった時にも「スムーズにことを運ぶことができる」はずですよ♪
それに、週末同棲でしたら「程よい距離感」で付き合えますよね。
結婚後にいきなり同棲するよりも、あなた自身が「自衛官の仕事に対する理解を深める」こともできますし、「特殊な仕事の相手と暮らしていくために、折り合いをつける方法」も見つけることができるでしょう。
結婚後に「こんなはずじゃなかった…」とならないためにも、週末同棲で「自衛官彼氏と結婚後の生活」をシュミレーションしてみても良いですね。
自衛官の恋人と一緒に住む方法まとめ
営内居住を義務付けられている隊員(30歳未満、三曹以下)でも、結婚すれば「営外の官舎、または民間の賃貸住宅」に入ることは可能です。
だからなのか、昔も今もあまり「同棲しているor同棲していた」という人の噂はあまり聞きません。
入籍してから、またはそれを前提にした同居生活のスタートが圧倒的に多いです。
一緒に暮らしてみたい、というのであれば…まずは週末に一緒に過ごすプチ同棲でお試ししてみてから、次のことを考えてみたら良いのではないでしょうか。
そうした時間を大切にすることで、もしかしたら、一足飛びに“結婚”に結び付く可能性も大いにありますよ。