自衛官は陸上・海上・航空の別を問わず、北海道から沖縄まで全国に展開しており、さらには海外にも派遣されるお仕事です。
基本的に「転属・転勤、引越し」はつきもの。
入隊して希望や適性に応じて教育を受け、一人前になるの間も、その教育隊や学校は全国に点在しており、さまざまな土地の暮らしを経験することがキャリアにつながるお仕事なのです。
とはいえ、自衛官と付き合ったり結婚したりしたら「そんなに転勤って多いの?どうにかして転勤せずに住む方法はないの?」って思ってしまいますよね。
引っ越しで色々な土地に行くのも面白そうですが、やはり子供ができたら「一箇所にとどまりたい!」と思うもの。
そこで今回は「自衛隊は転勤が必須なのか、回避する方法はないのか」についてまとめてみました。
自衛官本人はもちろん「自衛隊の彼氏や夫がいる女性」もぜひ参考に読んでみてくださいね。
自衛官って転勤がつきものですものね。
でも、実は「転勤なしになるケース」もあるんです。
自衛官は転勤なしって本当?
専門職種を極めたら転勤が少なくなる!?
基本的に、自衛官は転勤(転属)を重ねていきます。
しかし、自衛隊の中にある様々な職種の中には転勤が“少ない”分野もあります。
「ニッチな専門職種を極めて、その職場になくてはならない人材になる」か、「さまざまな仕事を熟せるゼネラリストになるか」、という選択をすることによってそのキャリア・人生が変わってきます。
できるだけ転勤を少なくしたいなら「ニッチな専門職」を鍛えるのがベター。
そのための勉強は大変でしょうが、「その基地になくてはならない人」になると、比較的転勤回数が少なくなる可能性があります。
また、自分の地元や住みたいと希望する場所に自衛隊の基地や駐屯地があった場合には「そこ特化した職種を選択することにより長期間勤務する」ということも可能ですよ。
入校で違う土地に配属される場合もある
転勤ではなくても、数ヶ月単位で「入校(民間でいうところの実務研修)」のために特定の学校に入ることが年齢、キャリアによらずあります。
転勤したくない気持ち、よ~くわかります。
やっと土地に慣れてきたと思ったらまた引っ越し…。嫌になりますよね。
でも、ある意味「自衛官は全国を転々とする運命」なのです。
自衛官のパートナーになるのであれば、それを理解し、ある意味悟り、諦める必要もあるのです。
自衛官=転勤(恋人同士なら遠距離)。
基本的にこれは避けられないことなのです><
自衛官の転勤がなくなる方法は?拒否することは可能?
自衛官は結婚が早いのは転勤があるから?
自衛官にとって、「転属・転勤は大前提」です。
出会って付き合い始めてすぐに次の任地に行くことも珍しくありません。
遠距離恋愛になるケースは多くて、だからこそ「長引いてお互いが疲れる前にさっくり結婚する」、という人もいます。
今は通話し放題プランやLINEなどで通信費は以前ほどかかりませんが、それでも「互いに都合を合わせてデートするための交通費・宿泊費」も無視できません。
そうした事情もあって、あまり長い交際期間を経ることなく、勢いをつけるようにして結婚する人も実は少なくないのです。
自衛官は「早く結婚する人が多い」のが特徴の1つ。
遠距離になって分かれる前に「結婚」しちゃうんですよね(笑)
転勤はなくなりません。
しかし、そのハンデを減らしていく方法はあるのです。
転勤を拒否することはできる?
内示が出た転勤は基本的に拒否できません。
それ以前の段階でも打診があれば“拒否”は難しいです。
人事異動は一個人の問題ではなく、「組織全体のバランスを考慮して行われる大きな流れの問題」なのです。
転勤を拒否するとどうなるの?
自衛隊は陸上・海上・航空の全てにおいて、「年に数回の大規模な定期異動」があり、一斉にぐるりと全国で人員が動きます。
1人がその異動を拒めばどうなるでしょうか?
「その人が行くはずだったポストに穴が開き」、「その人がそれまで勤めていたポストに就くはずの人は行き場を失い、宙に浮いてしまう」のです。
これでは周りの人が困ってしまいますよね。
事前に定期面談があるのでその時に希望を伝えることはできる
もちろん「突然そんな問題が起こらないように」と定期的に面談を行い、組織としての意向は伝えられます。
以前よりは「個人の事情を汲んで、考慮された人事異動」もあり得ます。
だからこそ、「最終的に出た内示は拒絶が難しい」んです。
しかし、その人事異動を行うことで「著しく任務の遂行が困難になることが予想される場合」には「他者との優先順位を考慮して内示が出る前に調整される」こともあります。
つまり、「転勤を回避できる可能性」「自分が希望する場所へ転勤できる可能性」があるんです。
違う土地への転勤に変えることができたケース
私の知っているケースでは、関東から沖縄に赴任を打診された人が、違う土地へ配属されたことがあります。
その人は「重度のアトピー」を患っておりました。
沖縄に引っ越すと「汗や強い紫外線で症状が悪化する可能性があり、業務に支障をきたすことが予想」されたので、「北海道・千歳に異動が振替になった」のです。
転勤免除になったケース
また、「家族が重度の障害者で毎日の介護が必要になったから」という理由で転勤を免除されたケースもあります。
その人の場合、シングルマザーの母親が全盲になり、「日常的に母親の介護が必要」な状態になりました。
兄弟も他にいなかったために、「その自衛官が母親の介護をする必要」があり、そのために「転勤免除」という措置をとってもらっていましたよ。
このように「どうしても転勤が難しい事情」があれば、転勤場所が変更になったり、転勤が免除になるケースもあります。
しかし、こうした変更は「基本的にレアなもの」であるということは認識しておきましょう。
希望の場所に転勤することは可能?
幹部自衛官は転勤が多い?
自衛官として働くなら転勤は不可分です。
ことに幹部自衛官の転勤は多く、2~3年周期の異動を余儀なくされています。
さまざまな土地、さまざまな部隊を経験することによって、「いつどんな場にあたっても滞ることなく組織を動かして任務を遂行していけるよう、常に訓練されている」という意味もあって、このように転勤が頻繁に行われています。
また「優秀な幹部自衛官ほど色々な土地に引っ張りだこになって転勤が増える」ということもあります。
希望する土地に転勤も可能?
しかし、ある程度は「転勤先に自分の希望を盛り込むこと」も不可能ではありません。
たとえば、「とある勤務地特有の職種を選択する」という方法があります。
そうすれば、そのエリアの勤務を長期に、または間に他の任地を挟むとしても「再びその土地に勤務できるように」と希望を出すこともできるのです。
具体的な事例
具体的な例をあげましょう。
「とある機種に特化したパイロットやオペレーター」の中には、その専門性の高さから一つの基地で、もしくは2か所の基地の行き来で長期間働いている人がいます。
「幹部ではない自衛官(陸曹・海曹・空曹)」の場合、このように「長期間その職場に留まり、その勤務地の特有の事情に通じたり、その職種ならではのスペシャリストになる」ことが可能です。
そうした人たちは「一ヶ所の基地や駐屯地に留まる期間が長い」のです。
若いうちは転勤が多いけど…
いずれも、若いうちは様々な土地、さまざまな職種を経験することが「キャリアの積み重ね」になります。
やみくもに転勤を拒否することは「自身の評価を下げる」ことに他なりません。
ですので、将来的に出世や高いお給料を望んでいるなら、転勤は拒否するものじゃないです。
しかし、上述してきたような組織の特性を理解した上で、たとえば「ある程度の年齢になったら自分の実家に近い土地に勤務できるよう希望し、叶えること」は不可能ではないのです。
自衛官が転勤せずにすむ方法はあるの?まとめ
転勤は「長期的なキャリア」と、「結婚や子育て、親の介護などの問題」も絡む問題です。
が、そのすべてをマイナスの視点で拒否・拒絶するのではなく、「さまざまな土地や生活を体験できる」と前向きに捉えてください。
「色々な土地に行けることを楽しむ」くらいの心構えでとらえれば、転勤は「豊かな機会の宝庫」であることに間違いありませんよ。
また、事前に転勤時期や転勤頻度、転勤手当、官舎の情報を知っておくと便利ですよ。以下の記事も一緒にどうぞです。