「自衛官自身が任官する時(就職する前)の身辺調査は大変厳密である」と言われています。
もちろん、国防を担い、それに伴って扱う情報も一般人には知り得ない“機密”や“極秘”というものばかりですから、それは当然のことと言えるでしょう。
では、配偶者・パートナーに関してはどうなのか…?!
自衛隊員彼氏との結婚を考えている女性なら「内容は何を調べられるんだろう?自分じゃなくても家族や親族に犯罪歴があったらNGなのかな?」と不安になりますよね。
思想信条、そして国籍など、いろいろなケースや問題になるだろうポイントがありますが…。
今回は自衛官妻である私の経験と、周囲で見聞きしてきたことから「結婚前の身辺調査」についてお話してみましょう。
警察等も事前調査があると聞きますよね。果たして自衛隊の場合はどうなのでしょうか?
自衛官と結婚前に身辺調査があるって本当?
自衛官本人の身辺調査内容は?
自衛官本人に関しての調査ポイントは二種類あります。
- 本人や両親、兄弟・姉妹(各々の配偶者は除く)、祖父母という二親等程度の職業や思想関係
- 自衛官本人の前科前歴(犯罪・非行事実による逮捕・補導・前科など)です。
自衛官の配偶者に関する調査は結婚前という訳ではありません。
具体的には入籍後ですね。
配偶者が問題になるポイントは?
ただし、自衛官の人数だけ、そうした関係性(交際中・友人関係)の全てを洗い出して詮索するほど、防衛省も暇ではありません。
もし問題になるとしたら、それは「配偶者が反社会的な活動をしていた」とか、「もともとそうした(思想信条や犯罪的に問題となっている)調査や監視対象であった」場合のみでしょう。
一般人、善良な市民であれば、法的な結婚以前に調査が入ったり、問題視されることは殆どありません。
もし身内に犯罪歴等がある人がいるなら…
むしろ、その辺りは自衛官でなくても、「夫婦でお互いが信頼できるかどうか」という個人同士の問題であるように思います。
犯罪歴や、宗教、思想信条、借金など、自身や家族の問題に関しては、組織に調べられて困る以前に相手に対して誠実であらねばなりませんものね。
もし、心に何か引っかかるものがあるなら、事前にパートナーに相談してみてくださいね。
話したら案外「そんなこと気にしなくて大丈夫だよ」と言われるかもですよ(笑)
自衛官の結婚前の身元調査内容は?どんなことが調べられるの?
とはいえ、自衛官は「入籍後に提出しなければならない書類」があります。
入籍したことを職場に報告したのちに、必要な書類が渡されますので、必要な項目を書いて提出しましょう。
本籍や、名前の旧字体、正確な生年月日など戸籍に準じた情報も必要になりますので、あらかじめ調べておくと楽ですよ。
また、両親や兄弟らの勤務先などもある程度記載する必要があったと思われますので、個別に聞いておくと慌てません。
フォーマットが全国、また陸海空で共通のものかは分かりませんが「概ねA3で一枚程度のもの」です。
あとは、扶養に入るのであれば、その際に必要な手続きの情報くらいでしょうか。
このように、提出書類といって簡単な内容のものです。
あまり身構える心配もありませんが、嘘は書いてはダメですよ(笑)
自衛隊と結婚する前の身辺調査内容まとめ
どんな女性と結婚したとしても、「結婚が自衛官の昇進に直接関わること」はほとんどありませんが。
その職種によっては影響が考えられるものもあります。
結婚相手が自衛官の出世にも影響する!?
例えば、重要な機密に関係する部署で仕事をしている場合。
相手が外国籍もしくは帰化したケースなど、その出自によっては問題視されることもあります。
結婚を優先するのであれば、その職種の転換を検討しなければなりません。
上官や人事、管理部門からいろいろ言われることもあるかもしれませんが。
結婚相手として考える時期になれば、まず自衛官本人が様々な選択をします。
相手が難しい条件を持っているのであれば、結婚するのか否か。
結婚するのであれば、職を辞すか、続けるか。
国籍に関しては、自衛官でなくてもそうした事情をより一層考えなければならないケースはあるはずなので、二人でよく話し合って、考えて、最良の方向を模索することになりますね。
実際、どこの官舎でも国際結婚の例はありました。
自衛官と結婚した私の体験談
さて、自衛官は転勤が当たり前の仕事です。
そして結婚するときに、遠距離恋愛から始めた場合には仕事を辞めて遠方から嫁ぐ場合も少なくありません。
実際、私もそうでした。
当時はネットで在宅の仕事などという夢のようなシステムはありませんでしたので、正社員だった仕事を辞めて結婚し、半年後に次の転属の内々示がでていたので、中途半端にアルバイトもできず、専業主婦にならざるを得ませんでした。
つまり「扶養に入る」という選択をしたわけですが。
そのために必要な書類の中にムカつく一枚がありました。
結婚後に提出しなければならないムカつく書類の1つ
結婚して間もなく、夫が職場で渡されてきたというその書類は、配偶者が「無職無給だから扶養に入れなければならない」という文面なのですが。
その「無職無給である」という証明に、居住地域の民生委員に一筆とハンコを貰って来い、というのです。
その時には結婚したばかりだったので、官舎ではなく、近隣の賃貸マンションに住んでいたのですが、夫婦ともども土地勘のないところなので、最寄りの民生委員さんがどこにお住まいなのかも知らず。
市役所に尋ねて紹介していただき「こういう書類があるので、お名前とハンコをいただけませんか?」と電話して笑われてしまいました。
悪い意味ではなく「大変ですね!」と好意的にご快諾いただき、書類の作成にお力を貸していただいたのですが。
その民生委員さんは「この辺りには自衛官さん多いけど、こんなの初めて見ましたよ」と言われ、また、その後転属した先でも「こんな書類を書かされた」と話しても、同じ立場だったはずの官舎嫁の皆さん「誰もその書類を見たことも、書いたことがある人もいなかった」のです。
「初対面の民生委員の方が、私の何をご存じなのか」と今思えば笑ってしまいますが。
当時は「無職無給」という言葉のインパクトにそれなりにショックを受けていた、ということを思い出しました…。
とはいえ、自衛官と結婚するからといって、そんなに大きなハンデは普通はないと考えていいと思いますよ。
普通に社会人として真っ当に生きているのであれば、問題ないはずです。
ただ、何か思い当たる節がある場合には、まず相手に正直に相談しましょう。
そして、嘘はだめです。
申告するべきことは、正直に書いてくださいね。