「航空自衛隊って転勤が多いイメージがあるんだけど、実際どうなの?」
そんな風に悩んでいるあなた。
はい、航空自衛官の転勤はとても多いです!
もともと陸・海・空問わず、自衛官は転勤が多いものですが。
航空自衛隊の職種によっては、本当に2~3年おきに転属があります。
“引っ越し貧乏”と言われるのも本当です。
北から南まで、航空自衛隊の拠点は70あまり。
さらに「防衛省(航空幕僚監部)、幹部学校、地方協力本部、在外公館の駐在武官、米軍への連絡幹部・留学」などを含めると、その異動先の可能性は100か所を超えます。
若い時から、定年退官の直前まで、日本全国を駆け巡る人もすくなくありません。
今日はそんな「航空自衛官の転勤や引っ越しについて」、航空自衛官妻である私が詳しく説明していきますよ!
とにかく転勤が多い航空自衛官。
それに付き従う嫁や家族も、なんだかんだで逞しくならざるを得ないのです><
自衛官の転勤と転属の違い~引っ越しがない場合もある~
転勤と転属の違い
自衛隊において、所属が変わることを“転属”と言います。
私的解釈では・・・
- 転属・・・部署替え(同じ基地や駐屯地内で部署が変わるだけ)
- 転勤・・・その部署が離れている場所で「転居を伴う転属」
という感じでしょうか。
「同じ基地内で所属が変わる場合」もあれば、「同じ仕事を続けながら勤務地が変わる」ということもあるのです。
基本的には2年から3年(場合によっては一年)で所属が変わるのですが、「絶対に毎回、引っ越しが伴う」というワケではないんですよ。
自衛官の転勤が多い理由は?
とはいえ、やっぱり数年おきに転勤がある自衛官。
その理由ですが、「誰がどの勤務地にいても、任務を円滑に遂行できるようにするため」ではないかと聞いたことがあります。
また、幹部自衛官はさらに転勤が多いのですが。
これは「さまざまな土地と部隊を経験して、どこに行っても即時対応できる」ようになるため、とも言われています。
いずれにせよ、転属・転勤によって生活が大きく変わるのにはかわりありません・・・。
航空自衛官の転勤時期や期間、場所について
まず、自衛官は一人前になるまでの間さまざまな教育を受けます。
入隊から、より専門性の高い教育を受けるために、全国の教育の拠点や学校を渡り歩くのです。
パイロットの転勤例
航空自衛隊ということで、パイロットを例にしてみましょう。
まず、「基礎教育を受ける防府北基地(山口県)」から始まって。
次に「静浜基地(静岡県)、浜松基地(静岡県)、芦屋基地(福岡県)、または米空軍基地(アメリカ本土)」にて約一年間の操縦訓練を受けます。
ここでやっと自衛隊のパイロットとしての資格を取得。
そこからさらに
- 戦闘機(新田原基地・宮崎県、松島基地・宮城県)
- 輸送機(美保基地・鳥取県、小牧基地・愛知県)
- 救難機(美保基地、小牧基地)
でそれぞれの機体の操縦訓練を受けて部隊配属されていくのです。
「身の回りのわずかな物だけを持って、数か月単位でこれだけの基地を異動して回る」というのも今の日本では特異な生活ですね。
しかし、ここまでやって「一人前のパイロットのキャリアが始まるだけ」なのです。
さらにその間に幹部候補生学校での教育を受けるケースもあり、部隊配属されて、やっと落ち着いて生活が構築されるようになりますが。
それから先も常に引っ越しを考えながらの暮らしなので、家具も衣装ケースなどを多用した間に合わせだったり、オシャレな暮らしとは無縁の生活が続きます。
パイロットの結婚事情
パイロットの資格が取れて、大体24~25歳といったところでしょうか。
その頃から結婚する人が少しずつ出てきます。
それ以前に結婚している人たちも稀にいましたが。
殆どが別居婚であり、奥さんが実家で出産・子育てをして、部隊配属後にやっと同居生活が始まる、という流れになります。
数か月単位の異動に家族を連れ歩くわけにもいかないので、苦渋の選択ではありますね。
さて、ここから始まるさらなる転勤の日々。
途中で職種が変わって転属する人もいれば、同じ職種で他の基地に異動する人もいます。
単身赴任を含めて、私ども家族が体験したこと、見聞きしてきたことをお話ししましょう。
航空自衛官は転勤が多い!?~妻の経験談~
転勤が続くと、稀に「同じ基地の中で転属して、居住地は変わらない」というケースもあります。
そうした場合は「ラッキー!」と思う場合と、面倒な相手(上官や同僚、官舎の同業嫁など)と離れられなくて「残念!」というケースもあります。
定期的にかならず誰かが動くので、転属が特別ということもありません。
官舎のママ友との交流は不可避?
今はSNSが盛んになっているので、官舎のママ友たちも住所が変わっても取り立ててその連絡をする必要もなく。
例えば九州と北海道で「まるで昨日会った続きのようにスマホの画面上でお互いの近況を報告し合う」という感じになっています。
不思議なもので「ママ友や幼稚園がご一緒だったご一家と、数年後の任地でばったり再会する」というケースもあるのです。
子供が小さい頃にはお互いに「それぞれの任地の幼稚園や保育園の情報」を、さらに成長してくると「塾や習い事の話」も共有して、転勤先にいる人を紹介したり、されたり。
自衛官嫁たちも逞しく人間関係を構築していくので、そのネットワークは年々広がり、全国規模になることも珍しくありません。
新天地に行っても嫁が主体で一家の生活を回していかなければならないのはお互いさまなので、いろいろと融通したり、協力したり。
そうした「付き合い」はいずれまたどこかで自分に返ってくるものだと考えているので、結構な割合で損得抜きのお付き合いは広がっていくのです。
逆に、礼を欠いたり、官舎の掃除をせずに退去したり、諸々の非道を働いた場合には、全国ネットで「即・ブラックリスト」です。
人として当たり前のことをしていないと、後々旦那さんの仕事に影響したり、子供たちが不利益を被ることにも繋がりますので、気をつけてくださいね。
自衛隊の単身赴任は不可避
結婚している自衛官の家庭は、子供の学齢が上がると「単身赴任を選ぶ」ケースが増えてきます。
そういった場合・・・
- 今後戻ってくる可能性の高い任地で便利なところ(都市部とか、交通の便がいいところ、子供の進学の選択肢が多い場所など)
- 夫と妻のどちらかの実家に近いところ
等にマイホームを建て、そこから先は夫が単身赴任をすることになりますよ。
自衛官妻のビックリエピソード!
私の友人は、とある突発人事で夫がいきなり遠方に転属になり。
「子供の学校のことを検討する猶予が欲しい」と元の官舎に残って、住まいをどうするか考えている間に「一週間後に官舎を出るように」と通知を受け取りました。
静かにブチ切れた友人…。
「そちらの都合でいきなり一週間で夫を遠方に飛ばしたあげく、その次の一週間で妻子も官舎から出ろとは何事か?!」
と官舎係をねじ伏せて退去を遅らせ、その間に「子供の通学に不便しない場所にマンションを急遽購入して引っ越す」という行動に出ました。
その男前な決断力には周囲が驚き、称賛しましたが。
そんな勢いで「一週間でマンション買っちゃうんだ…?!」というレアケースです。
…そんなこともあるんですよ。
しかし、その家の夫さんも、うちの夫も、今もってなお「単身赴任と家から通える勤務地を2年~3年間隔で行き来」しています。
昔は子供たちを連れて、夏休みは半分以上、そして冬休み、春休みは「ほぼ丸々赴任先」に連れて行ったりしたものですが。
中学生より大きくなるとそういう訳にもいきません。
部活、塾、そして受験。
なかなか旦那の勤務先に行く機会はないですね(笑)
航空自衛官は転勤が多い?まとめ
我が家は結婚して24年。
転属は12回目の今(うち、家族を伴う転居は4回)。
次の異動の時期のめどはつきますが。その赴任先は見当がつきません。
さて、どうなりますことか。
考えても解らないことは悩まないことにしていますが「面白そうなところだと良いなぁ」とは思っています(笑)
自衛官の彼氏と恋愛中の女性にとっては「転勤が多いと遠距離になったり、結婚後の生活が大変になるんじゃ」と心配になるかもですね。
でも、現在は遠距離でも彼氏と連絡する手段がたくさんありますので。
意外にどうにかなるものですよ。頑張ってくださいね。
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