自衛隊といえば「転勤」がつきものですよね。
自衛隊は日本各地に基地や駐屯地をもっていて、定期的にぐるぐる転勤をしております。
さらに、独自の教育を行う学校も方々に点在しており、「入隊してから一人前になるまでにも訓練を含めて全国を回る」という職種までありるくらいです。
自衛官にとって「転勤=宿命」。
本当、引っ越しのたびに嫌になりますが、仕方がないことなのよね。
と、こんな話を聞かされると「転勤ってどのくらいあるの?いつ頃に転勤&引っ越しになるの?ってか、転勤って何歳頃まで続くのよー!?」と疑問になる人は多いはず。
自衛官本人もそうですが、恋人や家族なんかにとっても重要事項ですよね。
そこで今回は自衛官妻である私が「自衛隊の転勤頻度」についてまとめてみました。
自衛官の転勤や引っ越し事情について詳しく知りたいそこのあなた。
今後の見通しが立てば、ライフプランも立てやすくなりますので、ぜひ参考にしてくださいね。
自衛官の転勤先が外国になることもある!?
自衛官の転勤の範囲は日本国内に留まりません。
例えば米軍との連絡幹部という立場で「米国本土やハワイ・グアムなどに派遣される者」や、外務省に出向する手続きを経て「各国の在外公館(日本の大使館・領事館)に駐在武官として赴任する」ケースもあります。
とはいっても、こういったケースは稀。
基本的には「国内の転勤が主」ですよ。
ただ「もしかしたら海外に転勤になる可能性もある」ということを心に留めていてくださいね。
平成の初期に日本で引越回数の多い人のランキングを募ったら、「ダントツで自衛官がトップだった」という記録もありました。
さて、その頃よりもライフスタイルが多様化した現在、自衛官の転勤事情、その頻度はどんな状態なのでしょうか。
自分の経験、そして周囲に見聞きしたことをまとめてみましょう。
自衛官の転勤頻度の平均は?
幹部自衛官の転勤頻度は?
一人前としてそれぞれの部隊に配属された幹部自衛官は、「基本的に2~3年に一度の転勤」があります。
2~3年に一度の転勤というと、けっこう多いですよね><
これは、幹部自衛官は部隊を大きくまとめ、指揮する立場であることから「さまざまな環境、人員に触れることにより経験を積み重ねておく必要があるから」とも言われていますよ。
下士官(曹・士)の転勤頻度は?
一般に「下士官と呼ばれる人(曹・士)たち」は「幹部自衛官よりも長めに一ヶ所の勤務地に留まって働く」ことが多いですが、その期間は職種によって様々。
特に「ちょっと珍しい職種」の場合、かなり長い期間一箇所の勤務地にとどまる場合もありますね。
これは「環境に精通したスペシャリスト」として、より効率よく組織を運用するため。
もし「転勤をあまりしたくない!」というのであれば「何かの分野に特化したスペシャリスト」を目指すのもオススメですよ。
1佐以上のエリート幹部なら転勤時期を早めに知ることができる?
全ての人事は中央と現場の部隊によって長期的計画によって管理されています。
その殆どが、年に数回の定期的な大異動で全国的にぐるりと回され、「より柔軟で風通しの良い組織を維持することを目的」として執り行われているのです。
ちなみに、防衛省が発する官報では「1佐以上の幹部の人事発令」が閲覧でき、概ねの異動時期がわかります。
官報が発表される時期は以下の通り。
- 3月の年度末
- 4月1日(しがついっぴ)
- 8月1日(はちがついっぴ)
- 10月末
- 年末
気になる人は、官報を一度読んでみてもいいですね。
急な転勤もありえる?
「突発的に誰かが自衛隊を辞めること(個人的な理由の退職など)」もありますよね。
そうなると、その人の穴を埋めるために「急遽ほかの誰か(同等の技量を持つとされる人、もしくは訓練によってそれに並ぶ能力を見込まれた人)」に転属を打診&発令されることもありますよ。
ちなみに、このことは「人事のドミノ」などという隠語で表されてもいます。
転勤が多い時期や期間ってあるの?
新人時代が最も転勤が多い
入隊から2~3年、基礎教育から職種ごとの綿密な専門教育に至る時期は、誰もが「数か月単位」で日本各地を動きます。
「教育隊・術科学校(じゅっかがっこう)」といわれる部隊を経て、「自衛官として必要最低限必要な訓練」から、「個々の希望やその適性を鑑みての専門性の高い教育」へと移り、現場に投入されていく時期まで、めまぐるしく異動を繰り返すのです(入校と言われます)。
現場に入るまでは、自衛官男性は本~当~~~に忙しいんです。
新人自衛官と付き合うと大変!?
そんな時期の自衛官と知り合って交際するようになると、もれなく遠距離恋愛になりますね。
それ以降も「基本的に2~3年に一度」は転勤の機会が巡ってきます。
遠距離恋愛必須みたいなものですので、彼女としては辛いものがありますよね。
が、今ではSNSや無料通話アプリ、さらにテレビ通話などが発達したために、「その時期を無難に乗り越えて結婚に至るケース」も増えていますよ。
逆に、そうした時期を乗り越えられないようでは、
- 結婚後の突発的な長期出張
- 任務上の行方不明(連絡が一切遮断されるケースも)
- 住居の購入や子供の進学などを考慮した単身赴任
などを耐えられるとは思えませんので、「適度な試練」ととらえていくくらいの逞しさは必要になってきますよ。
遠距離は本当に辛いですが「彼と一緒になるため」と思って乗り切りましょう!
ちなみに私が遠距離を乗り越えた体験談を以下の記事にまとめていますので、参考にしてくださいね。
同じ勤務地内に転勤するケースもあり!?
また、同じ組織の中、同じ勤務地の中で「転属」というケースもあります。
それは例えば
- 昇進によってポストが変わった
- 同じ基地内で別の部隊に異動した
ということで、事実上の転属があっても「転居や引っ越しが必要ない」といったことです。
「予想されるよりも長い間、その土地に留まって暮らすことができる」そんな場合もあるのです。
自衛官の転勤はいつまで続く?
転勤が少ない職種もある!?
自衛官として任官してから定年退職するまで、全ての自衛官に「ほぼ平等に転勤の機会」がやってきます。
ほぼ「2~3年ごとに転属する」ものと考えてよいでしょう。
ただ、階級と職種によっては「10数年にわたって同じ任地、またはその近隣の部隊で勤務を続け、転居せずにいる人」もいました。
日本中で「そこしかない特殊な部隊、特殊な技能を必要とする任務の場合」には、ままあることです。
詳しくは以下の記事を読んでみてくださいね。
基本的には定年まで転勤が続く?
しかし、20代~40代の自衛官は「基本的にガンガン動くもの」と思った方が良いでしょう。
その間に交際相手と巡り合い、結婚したとしても、その殆どが転居を繰り返していくことになります。
ですので、パートナーは「キャリアを諦める」か、「資格職で転勤先で求職していく」というパターンになります。
自衛官同士で結婚した場合は?
まれに、自衛官同士で結婚した場合も「同じ部隊には勤務できない」規定がありますの。
なので、どちらかが転属になったり、場合によっては「別居結婚」というケースもあります。
その間に子供が生まれると、実家の両親やシッターを総動員して乗り切り、その合間に「同じ勤務地に異動してつかの間の家族そろった生活を送る」という人たちもありました。
定年前の転勤は希望地になる?
自衛官にとって、転勤はデフォルトです。
そういう仕事なので、個人の希望でどうにかなる、というものではありません。
ただし、定年退官を目前にした最後の任地については「その後の生活(退官後の民間再雇用や、年齢的にも親の介護などの事情)」を鑑みて、「自宅や出身地の近辺、または本人が希望した場所」に配属されることが多いようですよ。
自衛隊の転勤 結婚後は単身赴任も多い?
子供が中学頃になると単身赴任が多くなる
夫は任官してから現在に至るまで「10数回の転属」を経験しています。
そのうち結婚してからの転居は「3回の単身赴任を含めて7回」行っています。
ちなみに、子供が中学に進学するころには、父親が単身赴任するケースが多いですね。
日本国内でも中学の転校や高校受験のハードルがぐんと高くなるので、それを承知で家族が暮らしやすい場所に居をさだめ、そこから先は単身赴任を繰り返す人が多いです。
単身赴任の乗り越え方
現在はインターネットの発達に伴って「スカイプのテレビ通話や、LINEなどのアプリ」で物理的な距離を乗り越える方法はいくつもありますよね。
単身赴任の家族は、そういったものも利用しつつ、乗り越えているようですよ。
以前は「通信費(電話代)」そのものも、単身赴任にとっては大きな負担でしたので(笑)。
中には単身赴任をしないケースも
中には、「単身赴任はせずに、家族みんなでずっと一緒に引っ越しする」という家族もいますね。
(子供だけは大学進学や就職などを機会に一人暮らしを始めますが)
また、「最終的には実家などと全く縁のない、過去の赴任先で一番気に入った街」を選んで、定年退職前に「気に入った街」を希望して転勤。
定年退官後に「その地に永住する」という選択をした猛者もいますよ。
転勤は確かに自衛官本人にも、家族にとっても大きな負担であり、試練でもありますが。
前向きにとらえて、全国を渡り歩き、経験を積むチャンスと考えている人もいるのです。
あなたも転勤を前向きに考えてみてくださいね。