自衛官が暮らす官舎でもペットを飼いたいと考える人は少なくありません。
結婚してもまだ子供が授からない場合、夫が演習や入校などで数日~数か月家を空けることが珍しくない生活では「その寂しさを埋める存在」が恋しくなることもあるのです。
また、自衛官彼氏と付き合う前に犬や猫、ハムスター等のペットを飼っていた場合もありますよね。
しかし、残念ながら、自衛隊の官舎では原則としてペットを飼うことはできません。
が、「官舎(宿舎)でペットを飼える例外」もあります。
今回は「自衛隊官舎のペット事情」について紹介していきますね。
ペットってかわいいし、癒やしですものね。飼いたい気持ちはよくわかります。
果たして、どうやったら官舎でペットを飼うことができるのでしょうか?
自衛隊官舎でペットは原則禁止。でも例外はある!
犬や猫は禁止?
原則禁止、というのには理由があります。
基本的に犬や猫などは禁止。
当たり前ですが、部屋が傷むことと、泣き声などの問題で、一般的な賃貸マンションでも禁止されているのと同様の理由です。
飼ってOKな生き物は?
では、自衛官官舎でも飼えるのは、どんな種類の生き物か。
それは「官舎内でも他家に迷惑をかけない静かな小動物」などです。
ケージで飼うことができるインコなどの小鳥、一時爆発的に流行したハムスターやモルモットなども、お子さんにせがまれて飼う人は結構いました。
また、熱帯魚や爬虫類などに凝る人もいて、皆さんそれなりに楽しんでいるようです。
官舎で生き物を飼う時の注意点
秘密で飼ってもバレる?
環境的に許容される小動物を飼っている場合でも、定期的にやってくるお悩みがあります。
転勤による引越です。
周囲に内緒で犬や猫を飼っている人がいても、大体発覚するのは転勤時の官舎の退去チェックです。
においと、柱や壁の傷、畳の傷み具合からすぐにバレて修復のための費用をきっちり請求されることと、次の赴任先で官舎に入居することになっていても、担当者の申し送りで問題にされる可能性もあります。
引っ越し時の移動は大丈夫?
小鳥やハムスターなどの小動物の場合はきちんと管理して、掃除も適切に行われていれば日常生活では特に問題視はされません。
が、ストレスに弱い小動物の場合には「引っ越しによる移動」が大きな負担になるので、注意が必要です。
管理しきれない生き物は飼ってはいけない!?
ルールを守らないと周りから冷たい目で見られる?
当たり前ですが、自分で“管理しきれないもの”は飼ってはいけません。
というのも、官舎では前の住人も次の住人も「大体同じ部隊の人が使うことが多い」です。
ですので、ルールを守らなかったり、転居の際に部屋をきちんと原状復帰していない場合は、その情報がじわじわと同僚たちに伝わり、問題視されるようになります。
そうした情報はインターネットが発達する前でも、あっという間に拡散したものです。
コッソリと犬や猫を飼ったことで官舎の部屋に「犬や猫の爪痕」等が残っていたり。
一見綺麗になっているようであっても、風呂場の排水管などがペットの毛で詰まっていたり。
「次の住人が困ったと」いうことが、実際に過去にもありました。
やはりそこまで責任が持てないのであれば、官舎で生き物を飼うことは不可能だということです。
熱帯魚でもトラブルがあったことも…
ルール上は大丈夫と思われていた熱帯魚でも、トラブルが起こったことがありました。
ご主人がはまって水槽を増設したら、「地震で破損して下の部屋に水漏れが発生した」というケースです。
それ以来、水槽と魚を減らしたものの、引っ越しの際に「どうやって魚を移動させるか」という問題が起こり…。
結局、「転勤を境に全て人に譲り、熱帯魚を飼うのを諦めた」という人もいましたよ。
飼ってみたい、という気持ちは理解できますが。
現実問題として「引っ越しまで見据えた対策」を行っていないと、難しい問題にぶち当たる可能性が大きいです。
どうしても飼いたいならペットOKなアパートなどで
「どうしてもペットと一緒に生活したい」という人も中にはいるでしょう。
そんな人は「基地・駐屯地の近くでペットOKな賃貸物件に入居する」ということでしたら、犬や猫を飼うことが可能です。
が、賃貸物件の場合、当然ながら敷金や礼金も発生します。
ほとんどの賃貸物件では、家賃自体も官舎より高くなるでしょう。
さらに「転勤で更新時期でないときに転居する」可能性もありますので、そうなるとより一層お金もかかります。
そこまで考えて「それでもOK」ということでしたら、パートナーと「ペットを購入するかどうか」を一緒に話し合ってみても良いですね。
自衛官とペットにまつわる哀しい話
実は過去に、賃貸アパートを借りて、マナーを守ってペットを飼っていても「自衛官特有の事情で大変なことになった」という話がありました。
東日本大震災です。
その人は単身者で、長期任務等で留守にする場合は、ペットを知人やペットホテルなどに預けていました。
が、東日本大震災が起こった時、職場から直接出動しなければならず…。
「長期間帰れなかった部屋の中でペットが残念なことになっていた」という人がいました。
同居するパートナー、そして家族がいれば状況は変わっていたかもしれませんが…。
自衛官には「災害などで長期間帰れなくなる可能性がある」場合があります。
特に独身者の場合は、その点も考慮しておいた方が良いですね。
自衛隊はペットを飼えるのか?まとめ
私が結婚した時、大先輩の奥様から「手書きのメモのコピー」を沢山いただきました。
歴代の奥様方が書き足して、ブラッシュアップした「官舎での生活の心得」のようなものなのですが、それには「生き物と、植物には手を出さない方が良い」とありました。
自衛官につきものの「転勤や、入校・出張などの長期の不在」も考えると、確かに生き物を飼うのは大変です。
何よりも飼われているペットの立場になれば、「窮屈な暮らしを強いること、災害時に生命の危機もあるということ」をきちんと考えなければならないのです。
ペット好きには残念な話だったかもですが…。
その点もよく考慮して「ペットを飼うかどうか」を決められてくださいね。
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