一般の会社員や、公務員といった人たちに比べると、勤務の様子が分かりづらい自衛隊という世界。
ことに「幹部自衛官のお仕事は複雑で謎に包まれている…」という印象があります。
フェンスの向こう側の世界って、解りにくいですものね。
中には「幹部自衛官って忙しいって聞いたけど、付き合って大丈夫?結婚しても大丈夫?」と不安になっている女性もいるはず。
実は我が家は、夫が「航空自衛隊で空を飛んでいる職種であり、幹部」です。
そこで、幹部自衛官との交際に不安を感じている女性のために「主人とのお付き合い、結婚生活を通して感じてきた幹部自衛官のお仕事ライフ」をまとめてみました。
参考になさってくださいね。
幹部自衛官って忙しくて会えないイメージですよね。
実際のところどうなのか…私の体験談をお話します。
幹部自衛官は忙しい?会えないって本当!?
自衛隊も、割と普通の“お役所”です
まず、自衛隊という職場も、ある意味普通の“お役所”です。
担当しているのが“国防”というだけで、巨大な組織を普通に運営していくためのベースは、他のお役所や企業とそれほど変わりはありません。
現場で働く人がいて、そのために総務(総括)や会計、人事など「組織を動かしているシステム」があり、そのどこに属するかで、同じ階級でも働き方がかわってくるのです。
幹部自衛官は転勤が多い?
「幹部自衛官」や「パイロットなど特殊技能で働く人たち」はずっと現場にいるわけではありません。
- 2~3年おきに学校に入ったり
- 司令部というオフィスワーク中心の職場に移ったり
- 教官として後進の指導に当たったり
こんなことを繰り返して、キャリアを重ねていきます。
ですので、幹部自衛官や幹部候補のエリートは転勤が多くなる傾向があります。
自衛官でも仕事の忙しさはそれぞれ
とはいえ、同じ幹部といってもその仕事の忙しさは人それぞれ(配属された基地&部署によっても変わります)。
「普通の地方公務員程度」のところもあれば、「政府の予算申請の時期など、その調整にほぼひと月殆ど自宅に帰れないような部署」もあります。
とはいえ、本当に忙しい幹部自衛官と付き合っている女性だと…「なんでこんなに忙しいの?本当に仕事なの?もしかして浮気?」と不安になりますよね。
そこで、「幹部自衛官が特に多忙で連絡が付きにくくなる時期や環境」についてお話をしますね。
こんなときは会えない日が続くかもしれません。
資格試験・論文提出がある
自衛官は試験が必須!?
一般企業でも、ある程度の仕事をするようになると必要な資格を取ることが推奨されますが。
自衛官の場合には、職種によって「受験が義務付けられている試験」が沢山あります。
防衛省の管轄下の資格だけでなく、国家資格、TOEICなど、場合によっては「自衛隊内の専門の学校に入って勉強→受験というケース」もあるほどです。
入隊後、配属先の職種によっては「一人前になるまで殆ど受験生と変わらない生活」をしている人たちもいます。
受験に落ちるという選択肢はない!?
20代の半ば過ぎまでずっと数か月に一回の受験が繰り返されれば、それは実際「かなり多忙で、自由時間が少ないという状況」になります。
人によっては「デートどころか、電話している暇もない」とか「LINEも通知を切るか、アプリを消して勉強に集中する」という人もいるほどです。
自衛官の場合、資格を取るのがデフォなので、試験に落ちるという選択肢がありません。
一つひとつが、人生をかけて挑む試験ですので、「落ちたらその職種に就けない」という場合もありうるのです。
もし彼氏がそういう状況になっていたら、「仕事と私とどっちが大事?!」などということを言って困らせるようなことはしてはいけません。
寂しいきもちもよく理解できますが、「試験に受かるかどうかで今後の彼氏のキャリアや出世が変わってくる」と思い、グッと我慢しましょう。
年齢が上がっても試験は続く!?
また、部隊配属後も試験は続きます。
実際40代に突入しても「半年~一年で学校に入ること、必要に応じて試験を受けること」は続きます。
さらに「さまざまな研修を受けて、いろいろなテーマの論文を提出する」という勉強もあります。
これを通常業務に加えて締め切りまでに完成させて提出、というのはかなりハードです。
指導担当が付いて何度もリテイクがかかったり、また、後輩の指導係になると付きっ切りで推敲したり。
夫の場合も…
我が家も「夫がそうした課題中心の生活」になりますので、家にいても平日休日問わず母子家庭のような状態になりました。
そういう多忙さは、特に「幹部自衛官として働く間」は常について回ります。
頭の中がそういうことでいっぱいの状態の人に無理を言ってはいけません。
応援するか、邪魔をせず見守る、というスタンスで付き合うのが無難です。
試験や論文の時期は「家にいて会えるけど忙しい」という状況です。
そんなときは「会えるだけマシ」と思って、そっとサポートしてあげてくださいね。
スマホを持ち込めない職場に配属される
スマホ持ち込み不可な職場もある
自衛隊は情報機器の取り扱いが厳密です。
意外と知られていない事ですが、プライベートのスマホでも画面が7インチ以内とされており、職場には基本的に私物のタブレットやパソコン、ゲーム機、USBメモリなどの持ち込みも厳しく制限されています。
さらに、職場によっては「個人の通信端末(スマホ)を電源を切った状態で入り口で預けて入り、帰りに受け取る」という場所が実際はかなりあるのです。
よって、「出勤するとに連絡がつかなくなる」というケースは普通にあります。
緊急事態の場合には…
家族などが緊急事態の場合には「外線から職場に電話して本人につないでもらうか、伝言して折り返しを待つ」という方法を取ります。
が、お付き合いをしている彼氏&彼女段階では「そうした連絡がなかなか難しくなる場合」もありますね。
LINEに既読が付かないのも、メールに返事がないのも、こうした状況によるものの可能性が高いです。
連絡がとれなくなると「生きてるのかな?もしかして捨てられたのかな?別れる前のサインかな?」と疑いたくなる気持ちもよくわかります。
でも、多くの場合、彼らに悪気はありません。
この仕事ならではの不可抗力なんです。
“忙しさ”の種類
幹部自衛官の忙しさは2パターン
職種によりますが…
幹部自衛官になると「拘束時間が長い職場で多忙を極める場合」と、「勤務時間は人並みでも、試験の準備や論文の締め切りで時間的にも精神的にも忙しく、余裕がなくなる場合」があります。
そうしたプロセスを経験することもキャリアのうちなのですが、民間にお勤めの人からは「なかなか理解され難い」こともあるようです。
忙しい理由を説明できない場合も
また「忙しいなら、その旨きちんと説明をしてほしい」と考える人もいますが、ここで問題になってくるのが“守秘義務”です。
実際、どこで何をしている、という基本的なことすら話せない人もいます。
その代表格が「自衛隊の艦船に乗っている人たち」です。
突然、行方不明になる場合も…
幹部に限りませんが、彼らは「出航・寄港・帰港の日時や旗艦なども一切人にしゃべれない」という場合があります。
潜水艦の乗組員など「朝起きたらいなくなっていて、半月後に予告もなく帰ってきた」というのが当たり前です。
ほぼ行方不明で“忙しい”というレベルの話ではなくなってきます。
同様に、陸海空ともに定期的・不定期に行われる演習も、場合によっては「一切の予告なしで連絡が取れなくなる」こともあります。
彼氏が突然、音信不通や行方不明になるなんて「そういうもの」と納得できない人もいるかもしれませんが。
まさに自衛官の仕事というものは「そういうもの」なのです。
幹部自衛官は忙しい?まとめ
幹部自衛官は、確かに多忙です。
でも、今の時代は「スマホ」があります。
既読が付かなくてもメールに返事がなくても、「とりあえずこちらからの意思表示ができる、必要なことを即座に伝える」ことができますよね。
そうした手段がなかった時代は行き違いも多く、それで破局する人も沢山いました。
忍耐と理解、そして圧迫感を与えない程度に諦めない働きかけ。
また、そうした“不便さ”を楽しむくらいの余裕…。
多忙な幹部自衛官と付き合っていくために必要な事柄は、こんなところではないでしょうか。
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